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紙ふうせんだより

紙ふうせんだより 6月号 (2019/07/12)

2019年(令和元年) 6月 水無月号

雨にも負けず 自分にも負けず

ヘルパーの皆様、いつもありがとうございます。今年の梅雨は、しとしと長雨というより、大量に降っては晴れるので、まるで熱帯のようですね。ともかくこの時期は食中毒などにご用心。また、雨の日の自転車移動は見通しも悪くなるし、注意が前方ばかりに向きますので事故に注意して下さい。余裕を持った早め早めの移動をお願いします。

悩み苦しむ人とどこまでも一緒に悩み苦しむ」 宮澤賢治の覚悟

雨の季節に必死で自転車を漕いでいると、「雨にも負けず 風にも負けず」と東奔西走する一編の詩が思い出されます。この宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を読むたびに、困っている人や悩んでいる人に“寄り添う”とはどのような事なのか、考えさせられます。

宮澤賢治は、東北の貧農たちと同じ生活苦を味わいながら、彼らの生活向上を目指す事を自らの理想としました。自ら農作業に勤しみ極端な粗食を良しとし、その中で農業技術者でもあった賢治は、周辺の農民達に肥料相談や稲作指導を行い、農民のための農民による芸術の実践をなど試みました。「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」とした賢治は、無理が祟り37歳でこの世を去っています。賢治の遺した手帳の書付け「雨ニモマケズ」からは、心の底に秘めていた想いが伝わってきます。「涙を流し」「おろおろ歩き」「みんなにデクノボーと呼ばれ」「ほめられもせず」などは、自分の能力を誇る事を徹底して拒否し、自分が無力である事を肯定し、それでも、だからこそ自分自身は悩み苦しむ人とどこまでも一緒に悩み苦しもうとしています。「そういうものに わたしはなりたい」という賢治は、自分の苦労が報われない事も覚悟しています。本当の心の痛みは、力があるから、強いから、知識があるから、専門家だから“助けてあげられる”というものではありません。それを知っているから、賢治は必死になって心の痛みに寄り添うのです。苦しむ人の「支え」となるものは、“解決策が与えられる事”ではなく、共に悩んでくれる人の「存在」なのです。

 

終末期に必要な「共に老い、病むべき仲間」による「支え」

終末期ケアでの

「ケア」の定義
CURE(キュア)

(治す・癒す)
CARE(ケア)

(配慮・気配り)
認識の原点 生を基点、病を治す 老い・病・死を基点
目的 健康に戻る 意味ある生の完成
援助者の立場 患者から見て指導的立場 共に老い、病むべき仲間
http://www.grief-survivor.comより、一部改変し引用
かつて“スパゲッティ・シンドローム”(延命装置などのさまざまな管に繋がれた状態)として、命の尊厳を脅かしていると批判された終末期の医療は、その反省から「治療」から「緩和医療・ケア」へと、残された人生のQOLを重視する方向へと転換するようになりました。「援助者自身が、共に死すべき者、共に老いるべき者、共に病むべき者として、有限な存在である自己を受容し、苦しみのなかにあるひとの想い・願い・価値観が成長し、変わるのを支える」と『ケアの思想と対人援助』(村田久行)にあるように、ケアを行う援助者の持つ意味も、「専門家による指導」から「共に老い、病むべき仲間」による「支え」へと転換してきました。

一回限りの人生を自分らしく生き抜くために

人生の最終段階で生じる「私は私でいてよかったか?」という人生の全てを振り替えるような疑問は、身体や精神よりも根源的なものとしてスピリチュアルペイン(魂の痛み)とも呼ばれていますが、それは“存在の苦悩”として実は誰でも持っています。「何のために生きているのか」、今まで一度も考えた事が無い人は居ないでしょう。自分が乗っていたバスが事故に遭って乗り合わせた人が亡くなった時には、「なぜ自分は生きているのか」と考えます。物心がついた頃に「人はなぜ生まれて死んでいくのか」と思ってみたり、終わりなき日常に「毎日繰り返される体験の意味は何か」と悩む時もあります。全てそれらは人生の『意味』についての問いであり、その回答を示さなければならないのは他でも無く自分自身であり、一回限りの自分の人生を自分らしく生き抜いてみる以外に答えはありません。このような人生の問いと答えには、専門家というものは存在しません。生老病死の意味を悩み『意味ある生の完成』に向けて生きているのは、利用者さんだけではなく私たち自身も同様なのです。
※宮澤賢治の自宅兼私塾兼集会所の羅須地人協会の黒板には、「下ノ畑ニ居リマス」とあった。「…おやつはそこに置いてあるよというやさしい心ずかいの意がかくされてあったのです。私たちは学校の帰り先生の家を訪ねては、おやつ捜しに入り、それをかってに取り出しては食べて帰るというのがなんとも楽しくて…」(当時の塾生の回想)
私たち自身が利用者さんと「共に老い、病むべき仲間」であろうとし続けるのであれば、利用者さんの苦悩は私たち自身の苦悩の一部となります。その時、私たちが安易に答えを出そうとするのではなく利用者さんと一緒に悩む事によって、その態度こそが、利用者さんが自分の答えを自身で見出していく支えとなるのではないでしょうか。ここに「人が人に寄り添う」ケアの本質があります。“生の完成”という大事業は創造の苦しみを必要とします。自暴自棄になって介護拒否をする方がいたら、その人自身も悩んでいますが私たちも悩みます。寄り添う事は言いなりになる事ではありませんから、提案が意に添わなかったために「デクノボー」と罵られる事もあるかもしれません。その時に刺された私の心の痛みは、その人の持つ痛みでもあるかもしれないと思い至る時、時を同じくして、自暴自棄という表現の裏側にある悔しさや憤りや悲しみの「意味」に、その人自身が気が付つくかもしれません。倒れた者もいつかはそうやって、これこそが自分の人生なのだと、一回限りの人生をもう一度自分らしく生き抜いて(死んで)みようと覚悟を決めるものです。私たちに必要なのは、その覚悟への歩みを見守り、隣に居ようとし続ける私たち自身の覚悟ではないでしょうか。

 

緊急時対応チャート

詳しくは紙面をご覧ください。

 

労災(労働災害)にご注意下さい


★介護中の事故(ヘルパーさん自身)→ぎっくり腰、圧迫骨折

◎腰痛予防などのために、就業前に準備運動をしましょう。

※無理な動作はしません。

◎入浴で血行をよくして、筋肉の疲労や強張りをとりましょう。

 

~ヘルパーミーティングのお知らせ~

月一回定例のヘルパーミーティングは、偶数月を梅丘と祖師谷の合同で全体のミーティングとして行い、奇数月は梅丘・祖師谷別に開催します。

(内容)利用者さんの状況等・支援計画の変更の必要性の有無 今月の議題・伝達事項

★ミーティングと研修会を同時開催しています。

会議参加手当(ミーティング)は1回につき1370円です。

◎入浴で血行を良くして、筋肉の疲労や強張りをとりましょう。
梅丘ヘルパーミーティング

7月17日(水)18:30~
【研修】熱中症・脱水対策(佐川)
祖師谷ヘルパーミーティング

7月23日(火)18:20~
【研修】残存能力を奪わない介護(小泉)
 


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