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平成28年
紙ふうせんだより 2月号 (2016/09/15)
皆様、いつもありがとうございます。今年もやっぱり雪が降りましたね。電車も大混乱でした。皆様も大変な中お仕事をされたかと思います。本当にお疲れ様です。体調を崩されてしまった方は、是非ご養生して頂きまして一刻も早い回復をお祈りしています。
なお、このような大雪や台風の時に公共交通機関をご利用されたヘルパーさんには、請求があればその費用を会社で負担させて頂いています。ただ、今回も電車やバスは全くあてになりませんでしたね。
今後の教訓ですが台風や大雪の時は、緊急ではないサービス(予防などが考えられる)をキャンセルか振り替えるなどして、“間引き”したルートを徒歩で移動するなどが考えられます。そのような対応が必要な際は、ヘルパーさん側からも事務所に問い合わせして頂いて、どのように変更するかを相談し利用者さんに電話をかけて調整したいと思います。ただ、サービスはヘルパーさんの大切な収入源ですので、皆さんの希望を聞いて対応したいと思っていますので、皆さまからの情報発信も是非よろしくお願いしたいと思います。
相性の問題
さて、このところ個別研修計画を策定にあたってヘルパーさんの課題を明確にするためには、どのような“問い”が必要かを考えていました。結論としては、サービスが長続きしない場合は、主にコミュニケーション領域の問題があるわけですが(ヘルパーさんに限らず、ケアマネさんや事務所と利用者さんの関係もある)、コミュニケーションについて話題になると必ずと言ってよいほど出るのが『相性ってあるよね』と、“どうしようもない”といったニュアンスで相性が語られるのです。相性とは、そそっかしいとか、のんびりとか、性分や生理的な要素に関わるため、自分では自覚しにくいものであると同時に、なかなか改善する事が難しいのです。だから、“どうしようもない”という言葉で撤退が模索される訳ですが、今回は敢えて相性の問題に取り組む価値を述べたいと思います。
一致しない事や隔たりがある事の価値
日常生活で、意見が一致を見ない事や、考え方や感性に隔たりがある事はよくあります。そのような二人は、喧嘩別れしてしまうしか方法はないのでしょうか。
心理学者の河合隼雄さんはこのように語っています。「夫婦ってのは、川の流れの中に杭を二本打つようなものだと思います。離れたところに杭を打って、川の流れに苦労しながら何とか網を張ることができれば、魚がたくさん獲れる。あまり相反するところがなくて杭を近くに打った夫婦は、網を張りやすいけど収穫は少ない。」(ラジオ深夜便こころの時代)
逆に言えば、似たもの同士で集まっても収穫は少ないという事です。自分と違う人間と出会って、何とか関係を作ってみようという努力があるからこそ自分が変わっていく。「自分を変えよう!!」という想いこそが自分を成長させるのであり、その想いが無い人は能力や技術や人格を高める事とは縁遠くなるでしょう。
隔たりがある事についての生物学的な価値について、有名な話があります。
スイスのベルン大学で、匂いに関する面白い実験が行われました。約40人の男の人たちが、2日くらいお風呂に入らずにTシャツを着ます。そして、そのTシャツの匂いを年頃の女の子たちにかいでもらい、どれが好きで、どれが嫌いかを決めてもらいました。そうやって決めたものは、外見で、自分が好みだと思う相手と、だいたい一致するのです。人が着たTシャツの匂いはたいてい嫌なものですが、「これなら許せる」と感じる匂いの人の事を、女の子は気に入ることが多いらしい。さらに面白いことに、好ましいと判断した匂いをもっていた人は、その女の子と最も離れた遺伝子をもつケースが多かったということです。無意識のうちに、遺伝子に多様性をつける方向へと判断していたということですね。 (「つながりの進化生物学」岡ノ谷一夫) |
さて、このように成立したカップルが、この後どうなるか考えてみましょう。恋愛の熱が冷めると、相手と自分との違いに愕然としてしまいます。「どうしてこんな人選んじゃったんだろう」「こんな筈ではなかった」と、ため息がでます。そうして“価値観が違う”“相性が合わない”との理由で別れようとします。育児や仕事に一段落ついた熟年もまた、父親や母親や世帯主や妻といった旧来の役割から降りて、新たに個人として自分のパートナーと向き合ってみた時、このような溜息を漏らす事がよくあります。実はここからが、生物としての個体ではなく、人間的な個人としての課題がスタートするのではないでしょうか。人間として豊かな個性を育てるために、自分とは異なるかけ離れた相手と敢えて交流する事によって、内面の多様性を獲得するための心の仕事がはじまるのです。
多様性の受容
ヘルパーさんから利用者さんとの関係を伺っていると、利用者さんに対してしっくりとこない感情を抱いていると、やっぱり利用者さんもそんな感情を抱いていて、結局長続きしない事が多々あります。それはそれで致し方ない事かもしれませんが、私としてはやっぱりもったいないと思うのです。せっかくのご縁なのだから、今まで自分とは異なった新たなものを受容し、多様性を自分自身に取り入れる事ができれば、仕事のしがいがあると思うのです。
相性の問題はつい割り切って切り捨ててしまいがちですが、そんな時、川に二本の杭を打って網をかけている自分の姿を思い浮かべて欲しいと思います。感情の川の流れに翻弄されてしまうような内面の苦労はありますが、苦労が多いほど心の収穫は多くなるのです。
<個別研修の年間計画>
個別研修計画策定に関するアンケートは、誠にありがとうございました。おかげさまで計画策定は3月までには終了予定です。そこで研修の実施について、年間計画を立てましたのでお知らせします。
※実施時期の幅は、アンケートに基づく参加者や事業所から指定する対象者のスケジュールを個別にお伺いし、日程を調整する為です。また、予定を変更する場合もございます。ご了承ください。
具体的な日程は個別にお知らせするとともに、決定したら紙ふうせんだよりでも告知します。
事業所としての目標
全員が参加できて、皆の想いを受け止める研修実施
【事業所の方針】
心が軽くなった!気負いが柔らかくなった!元気が出た!学べた!やる気がでた! 少しでも良い変化を創りましょう。
1:介護技術
介護技術(事業所で学習できるもの) を学習したい希望者 技術向上の必要がある事業所から指定した方:7~12月頃。事務所で。
現場で介護技術を学習した希望者 術向上の必要がある事業所から指定した方:随時現地同行訪問
2:コミュニケーション
アンケートを提出されていない方などで、目標や課題が明確でない方。 新年度から新たに目標立てて取り組みたい新人の方など:4~6月頃
チームワーク研修 コミュニケーション領域の研修 周辺分野の研修:7~12月頃
ストレスマネジメント研修 ヘルパー同士やサ責やケアマネと懇談:8月 12月
来年度へ向けて目標を明確にしたい方:翌1~3月
3:介護知識
介護保険制度や制度改正についての学習 法令遵守:4~6月頃
食中毒や感染症 事故・救急時等の緊急対応:4~6月頃
介護や医療の基礎知識:7~12月頃
外部研修:随時
2016年9月15日 2:00 PM | カテゴリー: 【紙ふうせんブログ】, 平成28年, 紙ふうせんだより