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令和7年
従業員対談企画(2月号) (2025/03/25)
「訪問介護は大変なんでしょ?」とよく言われます。
本当に大変なのか? はたしてその実態は――
佐々木 堤さんはどうして訪問介護はじめたの?
堤 社員旅行でお酒を飲んで盛り上がっている時に、突然渡部さんから「訪問介護」やらない?って言われたんですよね。私、デイに事務で入って介護の経験無いのに、勢いで了解しちゃって、あとで凄く不安になったんです。「私に出来るのかな?」って。でも自分を鼓舞して、「いくしかない!!」と。
佐々木 ふーん
堤 佐々木さん、今流したでしょ。ちゃんと聞いて下さいよ。
佐々木 ごめんごめん。理由なんて本当はどうでもいいんだよ。やったら凄かったでしょ、カルチャーショック的な。色々考えさせられたりしたことがあると思うよ。そこらへんを聞きたい。
堤 いやー、濃かったですね。そうですね、色々ありますけど…。最初は先輩に同行訪問をしてもらっていたのですが、その時にですね、先輩が買い物代行で外出して、私が自宅に残り掃除を行う事になりまして。私が一人の時に利用者さんが「お姉さん。台所行ってゴキブリほいほいにゴキブリ入っているか見てきて。」と言うんですよ。え、ゴキブリ? 私、世の中で一番苦手なものが虫なんですよ。「ゴキブリ……………。」と私固まってしまったんです。
堤「『自分で見て下さい』と言っていいのだろうか? なぜ自分で見ないのだろうか?『嫌です』と拒否していいんだろうか?……」と数秒の間にいろんな感情が沸き、「断れない」と思い、足でゴキブリほいほいをひっくり返し、ひっくり返した瞬間にゴキブリがいない事を確認し、「入っていませんでした!」とお伝えした事を覚えています。
佐々木 虫系か。あるあるだよね。あるお宅の初めての支援で片付けを手伝うことになって、山積みの洗ってない食器やゴミを片付けて洗いカゴを綺麗にしようとしたら、水受けにびっしりと白いご飯粒みたいなものがザワザワ蠢いていて、心の中で叫びながらそっと排水口に流したことがあったなぁ。
堤 やめて下さいよ。そんな話。
佐々木 じゃあ、もうちょと良い話。知的障害の方が高齢で軽費老人ホームに入ってね。入居の際、ホームから作業所の行き帰りを覚えるまで支援して、その後介護保険で入浴の支援になったんだよね。真夏でもいつも散歩されていて、頭は真っ白なんだけど真っ黒に日焼けしていて、背が低くて少女みたいなキラキラした瞳をしていてね。よく外で見かけては声かけたんだ。「なにしてたの?」て聞くと、「うん。虫見てた」「そっか。虫いた?」「うん。いた。」「いたんだ」「アリがいた。」「そっかー」みたいな感じで、一緒にしばらくの間、虫を眺めたよ。とっても豊かで幸せな時間だったから忘れられない。
佐々木 その方の周りだけ時間の流れが違うんだよね。その方の空間に入らせてもらうと、いつもの自分を外側から眺めるような感覚になるんだよね。サスペンス劇場で登場人物全員が切羽つまってるのに「こっちは平和だなぁ」みたいな感じでね。その方、ダンゴムシとかケースに入れて部屋で飼おうとしてたな。
堤 虫のことは理解できませんが、時間は解る気しますね。確かに、時間の流れが違いますよね…。
佐々木 そうそう。そういった気付き、結構あると思うよ。認知症の方とかさ。
堤 認知症の方…。そうですね。毎週同じ曜日、時間に伺っているのにも関わらず、「誰?何をする人?うちに来て何をするの?」と必ず毎回聞かれる方がいて、トレーニングセンターや、デイサービスでは接する機会がなかったから最初の頃は凄く戸惑いました。
佐々木 どうやって慣れていったの?最初は指示が入らないというか、「指示が入らない」という言い方自体が考え方を間違えているんだけど、慣れないとこちらの言っていることが全然伝わらないでしょ。
堤 そうなんですよね。時間ばかり過ぎちゃうのに何もやらせて貰えないと、焦ってきて余計早口になっちゃうというか…。
佐々木 そこに気が付くと変るよね。相対的に早口になってたと解ると、合わせようとするもんね。
堤 そうなんです。なんかもう、堂々巡りになっちゃうので、とりあえず自然な会話を心掛けて、相手に合わせていったら、「ああ、どうぞ」みたいな感じで受け入れてくれるようになって下さったんですよね。最近では全く気にする事なく毎回新鮮な気持ちで自己紹介していますよ。
佐々木 それだよ。指示が入らないって言う人は、自分が相手の世界に入っていないんだよ。ゴキブリの話にも繋がるんだけど、皆本当はひとりひとり違う感覚で違う世界を生きているんだよね。でも家族は自分の延長のようなものだし、友達はある意味似た者だし、職場はやることも方向も決まっているから、多くの人が自分の世界とは違う世界があるということに気付かないんだよね。
佐々木 現実世界に絶望する人は時々いるけど、本当は現実は多層性があって人の数だけ世界はある。北海道の人が東京で初めてゴキブリを見て「珍しい虫だ!」と喜んで、飼育しようとした笑い話があるけど、現実はいくらでもある。訪問介護は社会階層の違う様々な人との出会いがあるでしょ。どの階層や世界が良いなんて絶対に言えないんだけど、僕らの仕事は別の世界の入口を見つけて入っていくことなんだよね。そうやって外的経験の世界が豊かになると、自分の心の中の世界も多様性を増して豊かになってくるという……。
堤 はい。異動前の自分と比べると明らかに人間力が上がったと感じますね。
(つづく)
2025年3月25日 11:15 AM | カテゴリー: 【紙ふうせんブログ】, 令和7年, 活動報告, 紙ふうせんだより
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