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平成25年

平成25年7月 紙ふうせんだより (2013/12/26)

皆様、いつも有難うございます!時々電車の中で浴衣姿の女性を見かけるようになりました。見た目は涼しげですが、実際はどうなんでしょうか。湿気の多い日本は汗が乾きにくいいので、風が吹かないと熱がこもって暑いんですよね。涼しい日も熱中症には要注意です。電車の女性は、無理をして浴衣を着るから遅れ毛のあたりが汗で光っています。それがまた色っぽいのですが…と余計な事を考えてしまいます。これも「袖振り合うも多生の縁」なんですかね。

 

多くの生まれ変わり(多生)を経て現在の自分の“生”があり、路に行き交う人々の中で(袖振り合う)すれ違っただけの出会いも、自分が生まれてくる前(他生)からの“縁”である。この浴衣美人と私の“ご縁”とは一体?と電車の中で妄想するのはあぶないのでやめますが、訪問介護サービスでの忘れ得ぬ出会いはたくさんあります。自転車で街を漕ぎまわる中、「あそこには○○さん家があったな、奥さん元気かな」など回想をしていると、ご利用者様と私たちの“出会いの意味”を考えてしまいます。

 

意味を考える事は大切です。例えば、掃除の仕事を「お金の為にやっている」と変に割り切って考えていれば、お金以上のものは得られません。得ていたとしても自覚がないため気が付きにくいものです。一方で「この掃除は自分の心を磨いているんだ」と思えば、真剣に掃除をし終わった後はすがすがしい気持ちになります。「部屋を綺麗にすることで、利用者さんの気持ちも明るくなって欲しい」との願いがあれば、丁寧なゆきとどいた掃除となり自然と笑顔も出てくでしょう。人生とは、自分の見出した意味を生きているともいえます。

 

あるヘルパーさんが言っていました。「『一日一日を、ほんの小さな幸せを1つでも良いので見つけて生きていきたい』と思っていましたが、最近違うなって思ったんですよ。『一日一日、訪問した方に少しでも幸せを届けたいという気持ちに変わりました。」その変化は、ある利用者さんとの出会いからだったようです。私たちの対人援助の仕事は、相手の苦労を自分も背負ってしまうような側面があります。その苦労は、自らの人間的成長の為に必然的な出会いであると思えば、自然と相手との向き合い方も深くなってきます。

 

仏教では、全ての出会いは単なる偶然ではなく深い縁によって起こるものであるから、どんな出会いも大切にしなければならないと説いています。出会いを必然的なものとして捉えていく事は、自身の態度を自然と謙虚にさせていくことにもなるでしょう。

 

思えば、サービスの依頼が紙ふうせんに来て、たまたま時間の空いているヘルパーがいて…というご縁は、多くの要介護者・ヘルパー・訪問介護事業所がある中でのものだと考えると、不思議なご縁です。どんな出会いからも、自分にとっての意味を汲み取れるように、出会いそのものに謙虚に、自然体で向き合っていきたいと思います。


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